昨日は特に予定の無い日だったのでのんびりと過ごした。



昼ごろに起きて朝食兼昼食を取り、夕方にかけて平和公園まで散歩した。



晩御飯に鍋を食べ、その後はギター弾いたり、音楽かけてインターネッティングしたりして、自由に過ごす。





ここまででは、この日は単に平穏な日常の1ページに過ぎなかった。





しかし、とあるメガネによってこの平和は破られることになる。




夜11時にメガネと集合し、うだうだやりながらガストとラーメン横綱をハシゴ。



「1日4杯ラーメンを食った翌日になぜおれはラーメンを食っているのだろう」



深夜3時半、国道23号沿いのラーメン横綱の座敷で、そんなことを考えながら麺をすすっているおれがいた。




対面に座ったメガネは、ついさっきガストでプレミアム・ハンバーグとサラダ・スープセットをがっつりと食べたにも関わらず、ラーメン大盛りを注文していた。
横綱の大盛りは麺が通常の2.5倍くらいあるのだが、彼はそれをわかっていたのだろうか。



彼は男の生き様をおれに見せつけようとしたのかもしれない (死に際に)。


「あー全然足りん」


彼はひたすら麺をすすりながらそう漏らした。
しかし大きなどんぶりの中の麺が減っていくのに比例して、彼の顔はどんどんとひきつっていき、そのメガネの奥の瞳は確実によどんでいった。



おれはそんな彼が無様に (しかし光り輝きながら) ラーメンの前で沈んでいくのを涙をこらえながら見届けた。



おまえは、男だったよ。
大盛りラーメンに負けても、人生には勝ったさ。



精根尽き果てたメガネを乗せ、車は魔境・T田村を目指す。




疲れ果てたおれらのテンションはもはや意味不明。
途中通った工場を勝手に「日興コーディアル製麺工場」と名づけ、車内で爆笑し、のたうちまわった。



これに対して男は、「むしゃくしゃしていた」「どんな工場でもよかった」「工場には本当に申し訳ないことをした」などと供述しているという。




明け方のT田村、男たちは静かに眠りについた。
胃の中では相変わらず、横綱が相撲を取り続けていた。