大学を卒業をした。




ふむ。





大学生活が終った。






なるほど。





実感が全く湧かないが、まあとりあえずそういうことらしい。





振り返ってみれば、1・2年生の頃は大学に友達なんてほとんど居なくて、授業サボってバイトばかりしていた。


従業員の大半が中国人で、客の大半が夜の商売の方々で、狂牛病騒ぎのときはアメリカ牛肉をオーストラリア牛肉と偽って提供していた焼肉屋で、夕方から朝方まで働いてた。




3年生になるとおれはバイトも辞めて、授業サボって部屋で音楽を聴いて夜中になると連れとラーメンを食いに行くという日々を送っていった。


そんな一体何のために存在しているのかわからない人間になりかけていたおれを救ってくれたのが、ピザ屋だった。
ピザ屋で働いておれは、原付に乗りながら道路状況や信号のタイミングを考慮していかに速くピザを届けるか、という行為に没頭した。


大学でも、ゼミ仲間とよく遊ぶようになって、初めて仲間と呼べる人々に出合った。





灰色だった大学生活が、だんだん色鮮やかになっていったのもこの頃からだろうか。




「仲間」という存在の大事さ。




4年生になった頃、おれの大学生活に足りなかったものは単位くらいだったのかもしれない。







ちなみに焼肉屋とピザ屋で稼いだ金は、旅行・音楽・ラーメンの3つにほぼ全額消えていった。
年に1回は海外へ旅立ち、月に10枚以上アルバムを買い、週に5回はラーメンを食っていた。




アホだな、おれは。






でも、後悔はしてない。






さて、気がついたらもうそんな生活も終わり。





来月からおれは、山に篭る。





新しい人生がの幕開けである。





それまでは、もう少し、この学生生活を続けさせてもらおう。