インドに別れを告げ、またタイ・バンコクに居る。



日本に帰る前に、少しだけのタイ・バケーションである。



早速タイの屋台へ繰り出し、2軒ハシゴしてしまい、腹が悲鳴をあげている。
だって、美味いんだもの。タイの屋台。




特におれが好きなのが、「カオ・マン・ガイ」という料理。



これは和訳すると「鶏ごはん」という実にシンプルな名前なのだけど、読んで字の如く、鶏肉のご飯なのである。
蒸した(もしくはフライ)鶏肉と、鶏のだし汁で炊き込んだご飯をセットにし、特製のタレをつけて食べるもの。



これはちょっと、マジでお勧めの料理だ。
ほっぺた落ちますよ、ホント。



あれはちょうど3年前、タイのファラン・ポーン駅の食堂で、おねえさんが細い腕にでかい包丁で鶏肉をぶった切っているのに惹かれて食べたカオ・マン・ガイの味を、おれは未だに忘れられない。



「な、なんじゃこりゃあ」



そんな松田優作的なリアクションとともに、おれはあまりのうまさに愕然とし、とりあえずその場で2杯食べて腹を壊しそうになったのを記憶している。
それ以来、おれはタイの屋台や食堂で、蒸した鶏肉がぶら下がってるのを見るたびにカオ・マン・ガイを食べ歩いているのである。



そして今回、本場の屋台でカオ・マン・ガイが食いてぇよう、そんな気持ちでお昼時の大通りをおれは歩いた。



ランチ・タイムだけあって、屋台はOLやらおばちゃんやら、何やってるかわからんヒマそうなおっさんなどでにぎわっている。
とりあえず、空腹なおれはぶら下がった鶏肉が目印のカオ・マン・ガイ出してる屋台を探す。



しかし、いざ見つけようとすると、なかなか無いものだ。
いつもはぷらっと見かけて入るので、積極的に探すことはない。



とりあえず、しばらく通りを歩いてみる。



あー、腹減ったなー。



・・・めっちゃいい匂いがする。
まわりでは美味そうに麺をすすったり、ご飯をかっ込んだりしてるタイの方々。



ごおお、これ拷問ですがな。



たまらず、麺を出してる屋台に駆け込み、タイ風のラーメン(バーミン・ナーム)を注文してしまった。



う、うめぇ・・・。
生きてて良かった・・・。



25バーツ払って、屋台を後にする。



しかし、まだカオ・マン・ガイを諦めたわけじゃない。
麺は前哨戦に過ぎんのじゃ。




おお!と、鶏肉がぶら下がってる!!
あそこに違いない!!



屋台に近づき、おっさんに「カオ・マン・ガイ ミー・マイ・カップ?」と聞くと「あるぜ、ボーイ」と渋く返される。



つ、ついに念願の・・・
たどり着いたぜ・・・



出てきたカオ・マン・ガイを早速頂く。
うーむ。これである。




しかし、1軒目の麺が胃を圧迫していて、ちょっと後半はキツかったのは否めなかった。



1ヶ月以上のインド生活。
インドの飯は正直うまくない。どっちかというと、マズい。
おかげで飯にあまり楽しみが見出せなかったので、おれの胃も相当縮んでしまったようである。



満腹の腹を抱えて、30バーツ払って、おれは屋台を後にした。



しかし、100円前後でこんなうまいものが食えるなんてタイはつくづく良いところだ。




インドとは違う意味で、大好きな国である。



また来よう。




今夜の飛行機で日本に帰る。