インド西部に広がる広大な砂漠地帯、ラジャスターン州にあるジョードプルという町に居ます。



ここはその昔、砂漠の戦士として名を馳せたラージプート族の諸王たちが割拠していた地。
人は彼らをマハーラジャと呼んだ。
西方からのイスラーム勢力に、彼らはヒンドゥーの雄として果敢に立ち向かい、その名を轟かせたという。



ここジョードプルもそんなマハーラジャの町で、丘の上にある砦のふもとにマーケットや住宅などの市街が広がり、その周りを城壁が囲んでいる。
昔からの姿を今に残した、城塞都市なのである。



今日は朝から街を歩いて、郵便局で日本への絵葉書を出し、ATMで資金を引き落とし、市街を抜けて丘の上のメヘラーンガル砦まで赴いて中を見学してきた。
なんて充実した1日だろう。



特に今日は、おれにしては珍しくマジメに観光なんてしちゃったからね。
メヘラーンガル砦の入場料250ルピーは高かったけど、現在のマハーラジャの意向で機械の音声ガイドが無料で付いてくるとのことで、入場を決意した。
しかもこの音声ガイド・マシーン、日本語で話してくれるのである。



一応世界史を選択してたので、最初は音声ガイドを聞いてみっちりお勉強していたけど、途中から気が散りまくり、最終的には投げ出した。
そんなもんだよ、おれなんて。




でも、砦の城壁からジョードプルの市街を眺めると、ブルー・シティと呼ばれる所以である青く染まった家々が日差しの暑さを緩めてくれる気がした。
耳を澄ますと都市の喧騒が遠く耳に入ってくる。
なんだか神秘的な時間を過ごすことができました。



それにしてもインドは広い。
ちょっと高い所から見下ろすと、360度の地平線が見える。
国土の狭い日本じゃちょっと、考えられない。






いやー、それにしても砂漠だけあって、暑いね。
暑いってかむしろこれは熱いんだと思う。
日中の町歩きは危険を伴うね。かなり。



そんなおれを救ってくれるのがフレッシュ・ジュース。



フレッシュ・ジュースとはオレンジとかパイナップルとかざくろとか、果物を搾った果汁にシロップと水を混ぜて作ったジュース。
おれはこれが大の大冒険ならぬ大好物なのです。




あれはちょうど3年前、タイのアユタヤーの屋台街で、おばちゃんに強烈に勧められて飲んだフレッシュ・ジュースの味を、おれは未だに忘れられない。



「な、なんじゃこりゃあ」



そんな松田優作的なリアクションとともに、おれはあまりのうまさに愕然とし、とりあえずその場で3杯飲んで腹を壊しそうになったのを記憶している。
それ以来、おれは東南アジア、インド、中東などあらゆるところでフレッシュ・ジュースを飲みまくっている。



そしてここラジャスターンでも、灼熱の大地にフレッシュ・ジュースがよく合うのである。



毎日毎日、だいたい5杯ほど飲んでいる。
わかってるよ、飲みすぎだって。
だけど、止まらないんだって。



強烈な太陽光線と、砂埃・排気ガスの混ざる乾燥した空気によるおれの喉の渇きは、とどまるところを知らずフレッシュ・ジュースを要求するのだ。
そして飲み終わった後、店のおっさんの「ONE MORE?」の問いかけに「OF COURCE!」と新庄のようにグラスを差し出してしまうのです。




さて、あとどうでもいいことなんですが、おれの泊まってるゲストハウスの部屋のトイレ、洋式の水洗トイレなのはいいんだけど水流が弱すぎて困ってます。
インドという衛生状態のあまり良くない国を旅行しているのに、なぜかおれの胃腸は絶好調のようで、毎日すごーく硬いアレが出る。



でも、なんというか、こう、硬すぎて、うまく流れない。



何度も水を流しても、奴は一向におれの視界から消えてはくれないのである。
そう、しかも2日分。


これって結構イタい事態なんですよ。
なんて言ったって、まず、何より臭い。
トイレ使うのが嫌になるくらいの香りがおれを襲う。


で、だんだんトイレだけじゃなくてベッドのある部屋までその臭いが侵食してきています。



こりゃあ、ヤバイ。



でも、ゲスト・ハウスのスタッフに「ちょっとー、うんこが硬すぎて流れないんだけどー」などと言おうものなら、これは日印の国際問題に発展するんではないかと心配になって、むしろ単に恥ずかしくて、言えません。



さて、どうしたものか。






なんだかんだで旅行も1ヶ月超え。
おかげさまで楽しくやっております。