天気予報が雨だっていうもんだから、だらだら過ごそうと決めていた今日。
朝からゲームをやり始めるおれ。
しかし蓋を開けてみれば見事な晴天で絶好のレジャー日和だ。



「なに、そのうち雨雲が何処からかやってきて、ざーっと降り始めるさ。折角の日曜日、勇んで遊びに出掛けた家族連れなんて可哀相だな」
現代気象学に何の疑念も抱かず、おれは余裕でゼノギアスに打ち込む。





昼下がり、薄暗い部屋へかすかな陽光を取り込む窓から、近所の小学校の校庭で遊ぶ子供たちのはしゃぎ声が爽やかな風に乗っておれの耳に入ってくる。
ゲームを一段落してベランダへ出てみた。
飼っているカメが石の上で気持ちよさそうに身体を伸ばしながら日光浴をしている。



なんていうか、すごいい天気だ。



散歩でも行くか。もしくは久々にCDでも買いにレコード屋へ。
「いやいや、どうせ途中で雨が降って気分を悪くして帰って来るんだろ。よくあるパターンじゃないか」
一瞬浮かんだ考えをすぐさま改め、再び部屋に戻ってゲームを再開する。



鳴り止まない子供たちの甲高い声。
一向に聞こえない雨音。










天気予報の嘘つき。