そんなわけで、インドにいる。


カルカッタの安宿街、サダル・ストリートのネット屋から。



インド、それはおれが最も好きな国。
3年前に訪れてボコボコにだまされ、ボられ、くちゃくちゃにされたにも関わらず、もう一度行きたくて行きたくて、ついには本当に来てしまう、そんな不思議な国。
それがインド。


3年経って、少しは変わってるのかな?と思って来てみたら、全然変わってねぇよ。この国。
人と車の大洪水。
ひたすら声をかけてくるうさんくさいオヤジ、そして喜捨をねだる裸足の子供・子連れの母。


うーむ。インドだ。



今日はカルカッタで有名なカーリー女神寺院というところに行った。
ここはヒンドゥー教の神を祀った寺院なのだけど、毎日ヤギが神に捧げられている。
「神に捧げる」と言えば穏やかだけど、実際には生きたまま首を切り落とされるのだ。
しかもそれが、一般に公開されている。


ちょっと尻込みしたけど、せっかくカルカッタに来たんだからと、おれも見物しに来たわけだ。



・・・。



むう、これはこれは。



真昼間から、ショッキングなものを見た。
しかしインドとはあからさまな国であり、これもまたインドの大きな流れの一部なのかな、とも思う。



以下は、その詳細ですので、そういうのが苦手な方は読まないほうが身のためです。












まず、斬首台みたいなところにヤギが連れて来られる。斬首台は既に血だらけ。
水でヤギを濡らして清める。
ヤギはかなり震えていて、時々「ギャー」と叫んで暴れる。今から殺されることがわかっているようだ。
ヤギの周りには人々が集まり、ヤギに付いた水を額にこすり付けて何か祈っている。
しばらくそうしていると、太鼓がドンドンと鳴り出す。これが斬首の合図である。
でかいナタを持った男が現れる。さすがに心臓がドキドキしてくる。
ヤギが連れて来られ、男に前足を背中の方に折られる。
叫び、暴れるヤギを斬首台に押さえつけて、思いっきりナタが振られる。
首が無くなった胴体は、しばらくはかなり暴れている。血が飛び散る。
男が足を掴んで、胴体を運んでいく。
運ばれた先でヤギはバラバラに解体され、人々がそれを持ち帰る。
恐らくその肉を食べるのだろう。それが供養なのだろう。
斬首台に残ったヤギの血を額につけて、祈る人々もいた。


以上がこの寺院では昼間に何度も繰り返されている。
しかし何と言うか、一連の動作は非常にさっぱりと行われていて、仰々しさを感じない。
行為自体は残酷とか、道義に反するとか、そういう風に言われてしまう類のものかもしれないが。
インドの空気に、その行為はとても馴染んでいるように感じた。
少なからずショックだったけど。