おかちんとサマソニのチケットを買いに行く。
その後ぶらぶらして何故かイオン熱田店に入店。
タワレコに行ったり店内をぶらぶらしつつ、時間をつぶす。




最上階のフードコートにラーメン屋の集合体を発見。
その瞬間、男2人の目つきが野獣のそれへと変わった。
それぞれの店を吟味する男たちの鋭い眼光は、飢えた狼を彷彿とさせる。
数ある店から横浜醤油とんこつラーメンの「六角屋」に標準をロックオン。
気配を殺して店に近づき、機を計りつつ食券を購入後、一瞬のスキを突いて一斉に店内になだれこむ狼と化した男達。
迎える店員に「角煮ラーメン味たまご付、スープ濃いめ、脂多め」とだけ告げて秒殺し、寸分狂いのない動きで席に着く。




まだか・・・獲物はまだか・・・



ラーメンを待つ間、野生の魂が頭の中でひたすらそう繰り返す。



ここで、おかちんに先にラーメンが運ばれてくるというアクシデントが発生。
早々に食べ始めるおかちん。
横で驚愕の表情で見つめるおれを尻目に、「うめぇ」とかほざきながら必死に麺をすすっている。
「なぜ?なんでおれより先におかちんなんだ・・・!な、なんか知らんがムカツク!!」
困惑するおれ。
しかし、平常心を失ってはいけない。
必死に散漫になった神経を集中させ、来る闘いに備える。




・・・遅い。




待てども待てども来ぬ獲物。
戸惑い・苛立ち・焦燥、様々な感情が脳内を交錯する。
横では「うめぇーうめぇー」とアホの一つ覚えのように繰り返しながらひたすら麺を胃に流し込み続けるおかちん。
独りじっと悶々としながらラーメンを待つおれの眉間には血管が数本浮き出ていたに違いない。




「おまたせしました 角煮ラーメンのスープ濃いめ、脂多めになります」


待ちに待った獲物がついに姿を現した。
臨戦体勢で獲物と対峙するおれ。
その瞬間言葉を失う。



そのラーメンにはスープの上に、ラード層が2cmほどの厚さで存在していた。
「脂多め」とは言ったが、多すぎる。
れんげでスープをすくったが、すくえるのはラードばかりだ。
そしてラード層の上には大量のネギとともに脂たっぷりの角煮がのっている。
まさに、「脂ラーメン」と呼ぶのが相応しい、そんな物体がおれの目の前に鎮座していた。




・・・強敵である。






勝敗は、おれの完敗であった。
今でも気分が悪くぐったりとしている。
二度と行かねぇ。



テスト?そんなもん知らねぇ。