朝早く起きて、大学へ。
到着した瞬間、1限目が休講なのを知り「FUCK!」。
大学の連れとだべる。昼飯を食う。
授業終った後はゼミのみんなで飲み会。2次会はボーリング。
夜中に3次会と称して、大学へ侵入。近所の幽霊屋敷にも足を運ぶ。
深夜2時過ぎに帰宅。
風呂はいって今に至る。




ここ1週間は、普通に大学に行ったり、バイトしたり、連れと遊んだり。




見事に、日常である。




1ヶ月旅に出てたから、最初はその日常に少しの懐かしさを覚えたもんだが、今やそんなことは全く無い。
ひたすらに、日常はただ、日常である。




旅先での思い出はこれから先、記憶の海の中で、忘却の波にさらわれ、徐々にその姿をおぼろげなものに変えていくのだろう。
でも、日常の曖昧な記憶にサンドイッチのようにはさまれた旅の記憶は、漫然とした灰色の連なりの中で、一際あやしげな鈍い光の輝きを失うことはないだろう。



おれは、忘れない。



イスタンブールのガラタ塔から眺めた旧市街の眺めを。


ギュルハネ公園の木陰でのうたた寝を。


カッパドキアの大地をバイクで爆走しながら、心の底からあげた雄叫びを。


中東のあの、乾燥した空気・紺碧の空・まぶしすぎる太陽を。


砂埃と鳴り止まないクラクション・険しい表情の男たち・ひたすらつきまとううざいガキどもを。


モスクの中でぼーっとする、神秘的なひとときを。


ダマスカスの安宿で高熱にうなされながら見た、日本の幻影を。


ゴラン高原のふもとにある、イスラエル軍に破壊された町の風景を。


バスの車窓から眺めた、イラクへと続く砂漠を。


そして、アラブの人々の優しさを。





おれは忘れない。